ステンレス鋼は鉄をベースにクロムとニッケルを基本成分として含む合金鋼です。
種 類 | 通称名 | 18-8 | 18クロム(18-0) | 13クロム(13-0) |
---|---|---|---|---|
JIS規格 | SUS304 | SUS430 | SUS410 | |
基本成分 | 約18%のクロムと約8%のニッケルを含む | 約18%のクロムを含む (ニッケルは含まない) |
約13%のクロムを含む (ニッケルは含まない) |
|
耐食性 | 優れている | やや劣る | 劣る | |
耐熱性 | 極めて優れている | 極めて優れている | 極めて優れている | |
熱伝導 | 鉄の約1/3 | 鉄の約1/2 | 鉄の約1/2 | |
耐低温性 | -200℃までも靭性が低下しない | -10℃以下ではもろくなる | -15℃以下ではもろくなる | |
耐衝撃性 | 極めて強い | 極めて強い | 極めて強い | |
磁性 | 磁石がつかない。ただし冷間加工(曲げ、絞りなど)を施した部分は磁性を持つことがある | 磁石がつく | 磁石がつく |
熱伝導に優れた軟鉄を保温力と耐久性に優れた 18-10 ステンレス鋼でサンドした素材。熱が均等に伝わり、温めやすく冷めにくいのが特長です。しかも 18-10 ステンレスは錆びにくくキズも付きにくいので、お手入れ簡単。そして、すべての熱源に対応します。
ふたつの高性能が一体化!
内面に耐食性に優れたステンレス、
中心に軽くて熱伝導性に優れたアルミニウム、
そして外側に有磁性に優れたステンレスをサンドイッチ。
素早くムラなく伝わったアルミニウムの熱を冷めにくいステンレスで覆って蓄熱効果を高めた素材です。そのため、以下の3点を実現しました。
環境問題が騒がれる中、ステンレスは廃品になっても原料として再利用できます。
ステンレス鋼の表面に酸化皮膜(保護皮膜)をつくり錆(酸化作用)を防ぎ表面を保護します。
耐食性、耐熱性、耐衝撃性に優れています。
ステンレス鋼は熱伝導があまり良くありませんが、一旦温まると中々冷めにくく保温性に優れています。
ステンレスの特徴の1つにステンレスは加熱しますと以下のように化学変化し、下記の色に変わります。この色を「テンパーカラー」といいます。材質(成分)、加熱温度と加熱時間によって色が変化します。以下はテンパーカラーです。室温によっても多少色の差異がありますが、鍋を使われるときに参考にしていただければ幸いです。
上記画像は新潟県工業技術総合研究所の試験結果です。
日本金属ハウスウェア工業組合「金属ハウスウェアガイドブック」より
当社の製品のほとんどが多層鋼で作られています。
そのため、このように鍋の中心に向かって、底面からでなく側面からもじわじわと熱が伝わり、効率よく調理が出来ます。
本体と蓋の構造がポイント!
調理中、本体と蓋の合わせ部分に水の膜を作り、鍋内部を密閉状態に保ち、熱と水分が逃げるのを最小限にとどめます。
この効果によって、最小限の水で茹で上げる「無水調理」や最小限の油で焼き上げる「無油調理」が出来ます。
ウォーターシール構造により、少量の水や食材自身のもつ水分だけで調理ができます。そのため、以下の3点を実現しました。
蓋のツマミに赤いコントローラーがついています。このレバーを「開く」「閉じる」にスライドすることで、蒸気を抜いたり閉じ込めたり、料理に合わせて使い分けできます。
この変色はステンレス鋼製の鍋では比較的よく発生する現象です。特に新品の鍋の場合虹色が発生しやすくなります。
ステンレス鋼の表面は薄い酸化皮膜と呼ばれる皮膜で覆われており、これにより錆びにくくなっています。
商品自体が変質したものではありませんので安心してご使用ください。水が蒸発すると水の中に含まれる微量のカルシウムやケイ素などのイオンが酸化皮膜に付着して虹色に見せている現象です。
この白い斑点やシミは水に含まれているカルシウム、ケイ素、マグネシウム、鉄等のミネラル成分が、鍋の内側に沈殿、付着したもので鍋に限らず湯沸かしにも固着物として発生します。
この固着物は元々水に含まれている成分が付着して出来たものですのでご安心ください。
なお、この固着物をそのままにされていますと塩素イオンに付着したまま、ミネラル成分とステンレス鋼の隙間に進入し、錆の原因となります。
使用後は内面をよく洗ってください。
この部分的な変色は、ステンレス鋼の表面の酸化皮膜がガスコンロ等の加熱により、熱変色した着色現象(パテンカラー)です。
この現象はステンレス鋼を使用する以上、避けて通れないものですが、衛生上においても商品的にもまったく問題はありません。安心してそのままご使用ください。
この異臭は取っ手に使用されているフェノール樹脂等がガスコンロの熱によって熱せられた際に発生した臭いです。
ガスコンロの炎が大きすぎて鍋の取っ手に直接炎が当たると樹脂の焼け焦げによる取っ手の割れ、破損、欠損につながりますので正しい使い方をお守りください。
【ふやかしてとる方法】
鍋にお湯を入れて焦げがやわらかくなったら取り除きます。
上記の方法でも取れない頑固な焦げは市販されているクレンザー等の研磨剤でこすり落としてください。ステンレス鋼は熱伝導の関係から強火で料理をすると焦げ付きやすい金属です。
丈夫で錆びにくいという特長がある反面この点が最大の弱点となっています。
穀物に含まれている「タンニン」がステンレス鋼の主成分である鉄と反応し黒くなったものです。この反応を利用したものが黒豆を作る方法です。調理する際に錆びた鉄釘と食材である豆を一緒に鍋内に入れ鮮やかな黒色に染め上げることは一般的に知られています。
「タンニン」は山菜、ゴボウ、ほうれん草といった灰汁の強い食材に多く含まれており、特に鍋が新品でステンレス鋼の表面の酸化皮膜が安定していない場合や長時間食材を鍋に入れ放置した場合に発生しやすくなります。
ステンレスの表面は酸化皮膜により『錆』から守られております。ステンレスに傷がついても空気中の酸素が触れている間は自己再生します。しかし、なんらかの環境の変化により、不動態皮膜が破壊され、自己再生が妨げられた時『錆』が発生します。しばらく使用していなかったものを、白い布巾や紙で擦ると黒く汚れるのもこの現象の1つです。例えば、塩素系の洗剤や漂白材で洗浄し、洗剤が付着したままの状態にしておいた時や、湿気、結露などがある場合にも『錆』が発生します。
お使いになる時は、クレンザーやステンレスたわし、研磨剤つきのスポンジたわしなどでよく洗い落としてから使用して下さい。
クレンザーやステンレスたわしのほか、研磨剤つきのスポンジたわしなどで擦ると、黒い汚れや粉等がみられることがありますが、これは硬いたわし等で擦ることによって微量ながらステンレス鋼の表面が研磨され、これが「磨きかす」となったもので、「酸化皮膜」とともにステンレス鋼に限らずアルミニウムや銅などの金属製品共通の現象です。
これは突沸現象と呼ばれる現象で、ステンレス鋼製の鍋に限らず、他の素材の鍋においても報告例があります。
先ず、原因としては、味噌に含まれている、だし成分や麹(こうじ)が鍋の内面の底に沈殿し、鍋の底に蓋をしたようにびっしりと溜まった状態になっていたと考えられます。
次に味噌汁を再加熱した時、ガスコンロの熱により加熱し、その際に発生した鍋内の気泡が沈殿し溜まった味噌を一気に押し上げます。その衝撃で鍋蓋と共に内容物、具が一緒に飛び散ったと考えられます。また、この突沸現象は、常に発生する訳ではなく、味噌の種類、量、火力の大小。具の量等、いくつかの条件の組み合わせが重なった場合に極稀に発生する現象です。
虹色になったり、湯垢が付いたりした時、クレンザーでこすり洗いをして落とす方法の他に、食用酢を使用する方法があります。商品にあまりキズ、こすり跡を付けたくない時には、簡単にすぐおとせますので一度試してみてください。
水に食用酢を入れ弱火で数分間煮込みます。食用酢の量は特に何%と言うことはないのですが濃いほうが効果はあるようです。又、薬局で販売しているクエン酸を入れても同じ効果が得られます。
但し、あまりに進行した変色、腐食は完全に取る事は難しい事と、落としたらすぐに十分洗って、水気を取って保管するようにしてください。尚、作業中は換気をしながら行ってください。
日本金属ハウスウェア工業組合「金属ハウスウェアガイド」より